広島平和記念資料館
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広島平和記念資料館は原爆に関連する市の設営地としては最大です。ここでは1945年8月6日の悲惨な出来事や、なかなか消え去らないその余波について詳細に感情に訴える説明がされています。有名な建築家、丹下健三氏(1913年~2005年)が設計した、市のいくつかの記念館の一つ、広島平和記念資料館は1955年にオープンし、2006年には日本の重要文化財に指定されました。戦後の建築家がこの栄誉を受けたのはこれが最初でした。
資料館は平和公園内の二つの広大な隣接する建物から成ります。本館は初めての来館者にお勧めです。ここには原爆投下当時の、数えきれないほどの遺物が展示され、広島の原爆の犠牲者の体験が、今日の人々にできるだけ具体的に理解できるようにしてあります。一方、東館は様々な媒体を通じた平和教育に重点を置いています。2019年の春には、本館は大規模な改装の後、再オープンし現在は多数の展示品が一層効果的に展示されています。
本館のロビーにある「平和の時計」は、広島が世界で最初の核兵器使用の犠牲になってから経過した日数を示し、それと伴に地球のどこかで最後に核実験が行われてからの日数も示されています。
資料館に入ると、来館者はまず細い、照明を抑えた廊下を通り、そこには包帯を巻いた少女や上空から見た原爆のきのこ雲など、様々なスケールのものが映った巨大な白黒写真が並んでします。新しく加わったこのコーナーは、閉塞感のある設計になっており、犠牲者たちが感じた閉じ込められたような感覚や絶望感を伝えています。
さらに進むと、いくつかの広い展示エリアは、広島の原爆の体験を年代順に詳しく説明し、焦点は物から人へ移っていきます。爆弾そのもの、その後の火災旋風、黒い雨、新型爆弾の性質が地上ではまだ知られていなかった混乱した数日間、数週間、じわじわと何十年にもわたり世代間に受け継がれる放射能の影響などが、写真、生き残った人々の記憶から描き出したイラスト、多くの遺品を通して語られています。遺品の中には、幼児の持ち物だった、熱でねじれた三輪車があり、また、爆心地から約240m離れた銀行から持ち寄られた建物の一部もあり、一瞬にして焼かれて灰となった犠牲者の「影」が猛烈な熱で石段に焼き付けられています。
平和記念資料館を訪れると、深く胸が痛む経験になり得ますが、誰にとっても経験する深い価値のあるものです。