広島大学旧理学部1号館
- 爆心地から1,420m
- 鉄筋コンクリート造/3階建
被爆前:施設の建設
広島大学旧理学部1号館は、1931年(昭和6年)に広島大学の前身である広島文理科大学本館として完成しました。
竣工当時は、鉄筋コンクリート造3階建てでコの字型でしたが、1933年(昭和8年)に中央部分が増築されて、ヨの字型の建物になりました。
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建設された当時の校舎 (提供 広島市公文書館)
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建設当時の玄関内部 (提供 広島市公文書館)
被爆:原爆による被害
本館は、原爆によって外郭だけを残して内部を焼失しました。被爆当時、学生の多くは、学徒動員されていたので構内にはいませんでしたが、一部理科系の学生と南方特別留学生などが犠牲になりました。
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(提供 川本祥雄・撮影 川本俊雄)
復興:授業の再開
被爆の翌年9月から本館での講義が再開されました。
1949年(昭和24年)5月には、学制改革で広島大学に統合され、本館は理学部1号館として使用されることになりました。
閉鎖:建物の閉鎖
1985年頃から壁面のタイルが剥離して落下するようになり、頭上注意の看板や防護ネットで対応していましたが、1991年(平成3年)9月に、広島大学理学部が、東広島市にある東広島キャンパスへ移転し、大学建物としての役割を終えました。
現在:保存に向けて
広島大学旧理学部1号館の建物と敷地は、2013年(平成25年)4月に広島市が取得し、現在、保存と活用策が検討されています。
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